
2025年5月28日、国民民主党の玉木雄一郎代表(56)が衆院農林水産委員会で発言した「家畜の餌」に関する一言が、大きな議論を巻き起こしています。備蓄米をめぐるこの発言は、農家や消費者への配慮を欠くとして批判が殺到。一方で、米政策の課題を浮き彫りにしたとの声もあり、賛否両論が飛び交っています。本記事では、発言の詳細、背景、Xでの反応、そして問題の本質を深掘りします。

何が問題だったのか?
問題の発言は、玉木氏が政府の備蓄米放出策を批判する中で飛び出しました。小泉進次郎農林水産大臣が、米の価格高騰対策として2021年産の備蓄米を随意契約で放出する方針を示したことに対し、玉木氏はこう述べました
「あと1年たったら実は餌米で出す予定だったんですよ。1年たったら動物の餌になるようなものを安く売りますったってそりゃ安く出ますよ」
この発言は、備蓄米が「家畜の餌」と同等であるかのような表現が、農家や米を食べる国民への敬意を欠くと受け止められ、物議を醸しました。備蓄米は、災害時や食糧危機に備えて国が管理する重要な資源。玉木氏の発言は、その価値を軽視するものとして、与野党やSNS上で批判が広がりました。
備蓄米と「餌米」の仕組み
発言を理解するには、備蓄米の制度を押さえる必要があります。農林水産省によると、備蓄米は「棚上備蓄」制度のもと、約5年間保管されます。この期間内に主食用として使用されない場合、飼料用米(家畜の飼料)や工業用に転用され、安価に売却されます。2021年産の米は、2026年以降にこの転用が予定されていました。
玉木氏の主張は、この仕組みを基に、放出される米が「元々安価な飼料用になる予定のもの」であるため、価格抑制策として効果が限定的だと指摘したもの。しかし、「動物の餌」という表現が、備蓄米の品質や農家の努力を貶める印象を与え、批判を招きました。
Xでは、こんな声が上がっています:
• 「備蓄米を『家畜の餌』呼ばわりするのは、農家への侮辱だ。非常時に国民が食べる米なのに」(@RiceFarmer2025)
• 「玉木さんの言葉選びが軽率すぎる。米は日本の文化なのに、なんでそんな言い方するの?」(@FoodieJapan)
批判の嵐と政治的影響
発言後、与野党から批判が相次ぎました。立憲民主党の泉健太前代表はXで、「これから我々が口にする重要な主食だ。この局面で使う言葉ではない」と苦言。小泉農相も、「事実としてはそうだが、放出のあり方に取り組んでいる時に残念だ」と述べ、発言のタイミングと表現を問題視しました。
特に注目されたのは、玉木氏の過去の発言との矛盾です。2015年、玉木氏は備蓄米を「飼料用米」と軽視する表現に異議を唱え、食用としての品質を擁護していました。Xでは、この点がやり玉に:
• 「2015年には備蓄米の価値を訴えてたのに、2025年には『餌』って。玉木さん、ブレすぎじゃない?」(@PoliticalWatch)
国民民主党の支持率は、一部世論調査で下降傾向にあり、この発言が党にとってさらなる逆風となる可能性も指摘されています。政治評論家の投稿では、「言葉一つで信頼を失う典型例。玉木氏は農家票を意識すべきだった」(@PoliCritic)と分析する声も。
玉木氏の釈明:意図はなんだったのか?
批判の高まりを受け、玉木氏は同日夜、Xで長編の釈明を投稿しました。要点をまとめると:
• 備蓄米が5年後に飼料用に転用される制度を説明しただけ。
• 意図は、備蓄米放出では銘柄米(ササニシキやコシヒカリなど)の価格が下がらず、消費者ニーズに応えられないと批判すること。
• 「飼料用米を『エサ米』と呼ぶのは農業関係者の間で一般的」とし、業界用語を使ったと主張。
• 短期的な放出策ではなく、米政策の抜本改革が必要。
しかし、釈明は火に油を注ぐ結果に。Xでは、「業界用語でも国民に伝わる言葉を選ぶべき」「農家を軽視した印象は変わらない」との反応が目立ちました:
• 「『エサ米』が業界用語でも、国民に誤解を与えるなら使っちゃダメでしょ。政治家なんだから」(@CitizenVoiceJP)
• 「釈明読んだけど、結局農家への謝罪がない。そこがズレてる」(@AgriSupport)
擁護の声:問題の本質は米政策?
一方で、玉木氏を擁護する意見も存在します。一部ユーザーは、発言の言葉遣いは問題だが、備蓄米放出策の限界を指摘した点は的を射ていると評価:
• 「玉木さんの言葉は確かにまずかったけど、備蓄米で価格が下がらないって指摘は正しい。小泉大臣の政策が中途半端なんだよ」(@EconoGeek)
• 「みんな言葉尻に怒ってるけど、米政策の構造的問題を無視してる。玉木氏はそこを突きたかったはず」(@PolicyNerd)
実際、備蓄米は銘柄米とは異なり、消費者ニーズに直結しない場合が多い。また、飼料用米は食用米と異なり、タンパク質を多く含むよう品種改良されており、収穫量も多い。玉木氏の発言が、備蓄米の品質を「劣る」と誤解させた点は問題ですが、米政策の課題を浮き彫りにしたとの見方もあります。
飼料用米の実態と誤解
ここで、飼料用米について補足します。飼料用米は、畜産用に特化した品種で、食用米とは用途が異なります。農水省の資料によると、飼料用米の生産は、食糧自給率向上や休耕地の活用を目的に推進されており、品質が低いわけではありません。玉木氏の発言は、この点を曖昧にし、備蓄米全体が「家畜用に劣る」かのような印象を与えた可能性があります。
Xでも、こうした誤解を指摘する投稿が見られました:
• 「飼料用米は食用米と別物。玉木氏の発言で、備蓄米が全部『粗悪』みたいに思われたら農家がかわいそう」(@FarmTech2025)
議論の先にあるもの
この騒動は、単なる「失言」問題にとどまらず、日本の米政策や食糧安全保障の課題を浮き彫りにしました。備蓄米の管理・放出のあり方、銘柄米の価格高騰への対応、農家の支援策など、解決すべき課題は山積です。玉木氏の発言は、言葉選びの失敗で批判を浴びましたが、米政策の構造的問題を議論するきっかけにもなり得ます。
Xの声でも、こうした前向きな意見がちらほら:
• 「失言はダメだけど、米の価格問題や備蓄の仕組みをみんなが考える機会になったのはいいかも」(@FutureAgri)
結論:言葉の重みと政策の課題
玉木雄一郎氏の「家畜の餌」発言は、備蓄米の制度を批判する中で飛び出した言葉が、農家や国民への配慮を欠くとして大きな波紋を呼びました。釈明や擁護の声もあったものの、過去の発言との矛盾や言葉の軽率さを指摘する批判は収まっていません。一方で、米政策の課題を浮き彫りにした点は、議論のきっかけとして評価されるべきでしょう。
政治家の言葉は、国民の信頼を左右します。特に、食糧や農業といった日本の根幹に関わるテーマでは、慎重な発言が求められます。今回の騒動を機に、備蓄米のあり方や米政策の改革について、建設的な議論が進むことを期待したいです。